WATAPEDIA
--
LaTeX
-- 表示位置の調整
Last updated Mar. 14, 2008
Home
Return
PDFを表示
記事が表示されない場合は,ブラウザが非対応です.
上のPDFを表示をクリックしてください.
comp -MYPEDIA TEX- 表示位置の調整 1 空白 1.1 空白を出力する命令 TEX では字間や高さを微調整するために空白や見えない支柱を出力する命令が用 意されています。quad コマンドを使うと、その位置の文字サイズが 10pt ならば 10pt のアキが入ります。その他の空白を出力するコマンドを表 1 に示す。 なお、\ や~は主に本文中に使い、~で入れた空白では改行が起こりません。 表 1: 空白を出力する命令 コマンド 空白 (相対値) 見本 \qquad 2 見 本 \quad 1 見 本 \; 5/18 見 本 \: 4/18 見 本 \, 3/18 見 本 \! -3/18 見本 \ 半角スペース 見 本 ~ 半角スペース 見 本 1.2 自由に空白を作る 文章中に任意の大きさの空白を出力するには、vspace コマンドと hspace コマンド を用います。縦のスペースが vspace コマンド、横の空白が hspace コマンドです。長 さの詳しい指定法については長さの項目を参照1。使い方は以下の通り。 また、vspace コマンドはページの頭と末ではスペースを出力しません。出力させ たいときは vspace∗ とします。 同じく、hspace コマンドも行頭と行末でスペースを出力しません。出力させたい ときは vspace∗ を使います。 1長さ . . 1 TEX 一覧へ . . comp -MYPEDIA TEX- 文章中に自由に空白を作る 横に 3cm の\hspace{3cm}空白を空けます。\\ 縦に 30pt の \vspace{30pt} 空白を空けます。 横に 3cm の 空白を空けます。 縦に 30pt の 空白を空けます。 一方、数式中で調整のために空白を出力するには通常、1.1 で示したコマンドを使 うが、自由に空白を入れるために mspace コマンドが用意されている。mspace コマ ンドでは長さの単位に mu(18mu=1em) を用い、他の単位は使えない。 なお、mspace コマンドを使うには amsmath パッケージが必要です。使い方は以 下の通り。 数式中に自由に空白を作る \usepackage{amsmath} \begin{document} \begin{gather*} 9mu\mspace{9mu}9mu\\ 18mu\mspace{18mu}18mu\\ 27mu\mspace{27mu}27mu \end{gather*} 9mu 9mu 18mu 18mu 27mu 27mu 2 TEX 一覧へ . . comp -MYPEDIA TEX- 表 2: 支柱を出力する命令 コマンド 高さ 見本 \strut 行送りと同じ高さ \mathstrut 数式中の () と同じ高さ \rule[aa]{0pt}{bb} aa に上下の位置、bb に任意の高さを指定 (1ex) 2 支柱 2.1 支柱を出力する命令 一方、高さの違う文字を四角で囲う場合や、ルートに入れる場合にその高さを揃 えるため、太さが 0 の支柱を出力する命令も用意されています。表 2 に一覧を挙げ ておきます。 ただし、rule コマンドは本来、長方形を描くためのコマンドです。長さの指定法 については長さの項目を参照2。 3 上下の調整 3.1 高さと深さをなくす TEX には文字の高さや深さを 0 であると認識させる smash コマンドという命令が 用意されています。これを支柱と組み合わせて使えば、自由に文字が占有する高さ と深さを制御することができます。 amsmathパッケージを使うと、 smash[t]{aaa}で高さのみ0にする、 smash[b]{aaa} で深さのみ 0 にするという具合に使い分けることが可能です。 y の深さを 0 にする \underline{y}\underline{x}・ ・ ・(通常)\par \underline{\smash{y}}\underline{x}・ ・ ・(y の深さを消去) yx・ ・ ・(通常) yx・ ・ ・(y の深さを消去) 2長さ . . 3 TEX 一覧へ . . comp -MYPEDIA TEX- 3.2 位置と高さと深さを自由に設定 文字に設定されている高さや深さを任意の高さや深さに変えたいときはraiseboxコ マンドが有効です。raisebox コマンドは高さと深さを自由に設定できるボックスの中 に、高さや深さを無視してテキストを格納することができます。引数は\raisebox{ 上下位置}[高さ][深さ]{内容}のように入力します。上下位置はベースラインから の高さで指定します。 使い方は以下の通り。 位置を 1ex 上げて高さを 0 にする \renewcommand{\fboxrule}{0.1pt} \renewcommand{\fboxsep}{-0.1pt} 位置 0ex, 高さ 2ex, 深さ 1ex \fbox{\raisebox{0ex}[2ex][1ex]{aaa}}\\ 位置 1ex, 高さ 2ex, 深さ 1ex \fbox{\raisebox{1ex}[2ex][1ex]{aaa}}\\ 位置 1ex, 高さ 0ex, 深さ 1ex \fbox{\raisebox{1ex}[0ex][1ex]{aaa}} 位置 0ex, 高さ 2ex, 深さ 1ex aaa 位置 1ex, 高さ 2ex, 深さ 1ex aaa 位置 1ex, 高さ 0ex, 深さ 1ex aaa 4 幅の調整 文字に設定されている幅を任意の幅に変えたいときは makebox コマンドが有効で す。makebox コマンドは幅を自由に設定できるボックスの中に、幅を無視してテキ ストを格納することができます。引数は\raisebox[幅][左右位置]{内容}のように 指定します。左右位置は r(右)、l(左)、c(中央) で指定する。 使い方は以下の通り。 4 TEX 一覧へ . . comp -MYPEDIA TEX- A の幅を 0.3em に指定 \renewcommand{\fboxrule}{0.1pt} \renewcommand{\fboxsep}{-0.1pt} 通常 \fbox{A}\fbox{A},\quad 左寄せ \fbox{\makebox[0.3em][l]{A}},\quad 右寄せ \fbox{\makebox[0.3em][r]{A}},\quad 中央寄せ \fbox{\makebox[0.3em][c]{A}} 通常 AA, 左寄せ A , 右寄せA, 中央寄せA これを利用することで以下のように重ね字やローマ数字を再現することができま す。詳細は記号の項目を参照3。 3記号 . . 5 TEX 一覧へ . .