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Last updated Jun. 12, 2013
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comp -MYPEDIA TEX- フォント 1 簡易的なフォント指定 1.1 字体指定 字体のことをファミリといいます.TEX で字体を変更するには rmfamily などのコ マンドや textrm などのコマンドを使うのが一般的です. これらは具体的なフォントをを指定しているのではなく,ローマン体やゴシック 体,明朝体などのフォントの種類を指定する命令です.ローマン体を指定したなら, ローマン体の標準として設定されている字体が使われます.標準の字体については 3 で詳しく書く. また,数式中で用いられる字体については記号の項目を参照1. 記述法と出力を表 1 にまとめておきます. 表 1: 簡易の字体指定コマンド一覧 コマンド 出力 備考 (適用対象) {\rmfamily ...} \textrm{...} ABCabc ローマン体 (半角) {\sffamily ...} \textsf{...} ABCabc サンセリフ体 (半角) {\ttfamily ...} \texttt{...} ABCabc タイプライタ体 (半角) {\gtfamily ...} \textgt{...} あいう ゴシック体 (全角) {\mcfamily ...} \textmc{...} あいう 明朝体 (全角) 1.2 相対的サイズ指定 TEX で文字サイズを指定するには Large などのコマンドを使い基準のサイズから 見た相対的なサイズでフォントを指定する方法が一般的です. 基準の文字サイズはデフォルトでは 10pt ですが,クラスファイルのオプションで 指定します.クラスファイルのオプションについてはレイアウトの項目を参照2. 表 2 に相対サイズを指定するコマンドの一覧を示します.表の出力は基準の文字 サイズが 10pt の際のサイズになっています.また,基準が 12pt となっているとき は,Huge と huge は同じサイズになります. 1記号 . . 2レイアウト . . 1 TEX 一覧へ . . comp -MYPEDIA TEX- 表 2: 相対サイズを指定するコマンド一覧 コマンド 出力 {\Huge ...} あいうABCabc {\huge ...} あいうABCabc {\LARGE ...} あいうABCabc {\Large ...} あいう ABCabc {\large ...} あいう ABCabc {\normalsize ...} あいう ABCabc {\small ...} あいう ABCabc {\footnotesize ...} あいう ABCabc {\scriptsize ...} あいう ABCabc {\tiny ...} あいう ABCabc 1.3 文字色の指定 黒以外の色を使用するためには color パッケージを使用する必要があります.col- orbox コマンドなどを使えば背景色なども指定することができます. 表 3 に文字色などを変更するコマンドをまとめて示す. 表 3: 文字 (背景) 色指定コマンド一覧 コマンド 出力 {\color{red}...} \textcolor{red}{...} ABCabc \colorbox{red}{...} ABCabc \fcolorbox{red}{blue}{...} ABCabc \pagecolor{red} ページ色の変更 redなどの色名は black ,white ,red ,green ,blue ,cyan ,magenta ,yellow の 8 色がデフォルトで使えます.これ以外の色が使いたい場合は自分で色を定義す ることが可能です.指定にはグレースケール,RGB,CMYK の 3 種のカラーモデル が選べます. 2 TEX 一覧へ . . comp -MYPEDIA TEX- 色の定義 グレースケール (黒:0.7, 白:0.3)\\ \definecolor{name1}{gray}{0.3} RGB(赤:1, 緑:0.5, 青:0)\\ \definecolor{name2}{rgb}{1,0.5,0} RGB(シアン:1, マゼンダ:0.5, イエロー:0, 黒:0)\\ \definecolor{name3}{cmyk}{1,0.5,0,0} \textcolor{name1}{色 1} \textcolor{name2}{色 2} \textcolor{name3}{色 3} グレースケール (黒:0.7, 白:0.3) RGB(赤:1, 緑:0.5, 青:0) RGB(シアン:1, マゼンダ:0.5, イエロー:0, 黒:0) 色 1 色 2 色 3 1.4 その他 フォントを指定する要素として,ファミリ (字体) とサイズの他にシリーズとシェー プがあります.シリーズとはボールドなど,シェープとはイタリックなどを指します. よく使われるシリーズとシェープの一覧を表 4 と表 5 に示します. また,\textnormal{...}または{\normalfont ...}とすると,ファミリとシリー ズなどの指定を無視して,標準の指定が採用されます. 表 4: 簡易のシリーズ指定コマンド一覧 コマンド 出力 備考 (適用対象) {\mdseries ...} \textmd{...} ABab あい 通常の太さ (半・全角) {\bfseries ...} \textbf{...} ABab あい ボールド (半・全角) 3 TEX 一覧へ . . comp -MYPEDIA TEX- 表 5: 簡易のシェープ指定コマンド一覧 コマンド 出力 備考 (適用対象) {\upshape ...} \textup{...} ABCabc アップライト,標準 (半角) {\itshape ...} \textit{...} ABCabc イタリック (半角) {\slshape ...} \textsl{...} ABCabc 機械的な斜体 (半角) {\scshape ...} \textsc{...} ABCabc 小文字を大文字表記 (半角) 2 詳細なフォント指定 2.1 半角文字 半角文字の書体は,ファミリ,サイズ,シリーズ,シェープをそれぞれ別に指定 することで決まります.それぞれ,\fontfamily{ファミリ名},\fontsize{文字サ イズ}{行送り},\fontseries{シリーズ},\fontshape{シェープ}のように指定し ます.指定後には必ず\selectfont を書いておかないとフォントの変更が有効にな りません. また,改行が入る場合はよけいなスペースが入ってしまうため % を入れておきま しょう. 半角文字の詳細なフォントの変更 \fontfamily{ptm}% \fontsize{13pt}{15pt}% \fontseries{b}% \fontshape{it}% \selectfont It will be most cherished ambition... It will be most cherished ambition... ただし,デフォルトの Computer Modern のファミリを使う場合,そのままでは自 由にサイズを指定することができません.Computer Modern で自由なサイズ指定を 実現するには次のように type1cm パッケージを読み込んでおきます. 4 TEX 一覧へ . . comp -MYPEDIA TEX- 半角文字の Computer Modern のサイズ変更 \usepackage{type1cm} \begin{document} \fontfamily{crm}% \fontsize{13pt}{15pt}% \selectfont It will be most cherished ambition... It will be most cherished ambition... Helvetica というファミリは他のフォントに比べて大きめにデザインされています. そのため,他のフォントと一緒に使うと不自然に見えてしまいます.プリアンブル に次のように記述するとそれを修正できます. 半角文字の Computer Modern のサイズ変更 \usepackage[scaled=0.94]{helvet} \begin{document} 実際には,ボールドが用意されていないファミリなども存在するため,それぞれ を自由に決めることができるわけではありません. 以下では,TEX のデフォルトである Computer Modern と Acrobat の欧文基本 14 書体,通常の PostSvript プリンタに備わる欧文基本 35 書体(欧文基本 14 書体+21 書体)を表 6 から表 8 に一覧にしておきます.欧文基本書体の数字と表に挙げた書 体の数は一致しませんが,シェープの sc などは他の書体から機械的に作成されてお り,数に含まれていないためです. なお,以下の Computer Modern を除くフォントは,TEX に付属しているクロー ンフォントを使ったものです. 表 6: Computer Modern フォント一覧 ファミリ シリーズ シェープ 出力 cmr m n ABCDEFG abcdefg @?!;” cmr m sl ABCDEFG abcdefg @?!;” 5 TEX 一覧へ . . comp -MYPEDIA TEX- ファミリ シリーズ シェープ 出力 cmr m it ABCDEFG abcdefg @?!;” cmr m sc ABCDEFG abcdefg @?!;” cmr m ui ABCDEFG abcdefg @?!;” cmr b n ABCDEFG abcdefg @?!;” cmr bx n ABCDEFG abcdefg @?!;” cmr bx sl ABCDEFG abcdefg @?!;” cmr bx it ABCDEFG abcdefg @?!;” cmss m n ABCDEFG abcdefg @?!;” cmss m sl ABCDEFG abcdefg @?!;” cmss bx n ABCDEFG abcdefg @?!;” cmss sbc n ABCDEFG abcdefg @?!;” cmtt m n ABCDEFG abcdefg @?!;" cmtt m sl ABCDEFG abcdefg @?!;" cmtt m it ABCDEFG abcdefg @?!;" cmtt m sc ABCDEFG abcdefg @?!;" 表 7: 欧文基本 14 書体一覧 ファミリ シリーズ シェープ 出力 ptm m n ABCDEFG abcdefg @?!;” ptm m sl ABCDEFG abcdefg @?!;” ptm m it ABCDEFG abcdefg @?!;” ptm m sc ABCDEFG ABCDEFG @?!;” ptm b n ABCDEFG abcdefg @?!;” ptm b sl ABCDEFG abcdefg @?!;” ptm b it ABCDEFG abcdefg @?!;” ptm b sc ABCDEFG ABCDEFG @?!;” phv m n ABCDEFG abcdefg @?!;” phv m sl ABCDEFG abcdefg @?!;” phv m sc ABCDEFG ABCDEFG @?!;” phv b n ABCDEFG abcdefg @?!;” phv b sl ABCDEFG abcdefg @?!;” phv b sc ABCDEFG ABCDEFG @?!;” 6 TEX 一覧へ . . comp -MYPEDIA TEX- ファミリ シリーズ シェープ 出力 pcr m n ABCDEFG abcdefg @?!;" pcr m sl ABCDEFG abcdefg @?!;" pcr m sc ABCDEFG ABCDEFG @?!;" pcr b n ABCDEFG abcdefg @?!;" pcr b sl ABCDEFG abcdefg @?!;" pcr b sc ABCDEFG ABCDEFG @?!;" psy m n pzd m n 表 8: 欧文基本 35 書体一覧 (14 書体以外) ファミリ シリーズ シェープ 出力 phv mc n ABCDEFG abcdefg @?!;” phv mc sl ABCDEFG abcdefg @?!;” phv mc sc ABCDEFG ABCDEFG @?!;” phv bc n ABCDEFG abcdefg @?!;” phv bc sl ABCDEFG abcdefg @?!;” phv bc sc ABCDEFG ABCDEFG @?!;” pnc m n ABCDEFG abcdefg @?!;” pnc m sl ABCDEFG abcdefg @?!;” pnc m it ABCDEFG abcdefg @?!;” pnc m sc ABCDEFG ABCDEFG @?!;” pnc b n ABCDEFG abcdefg @?!;” pnc b sl ABCDEFG abcdefg @?!;” pnc b it ABCDEFG abcdefg @?!;” pnc b sc ABCDEFG ABCDEFG @?!;” pag m n ABCDEFG abcdefg @?!;” pag m sl ABCDEFG abcdefg @?!;” pag m sc ABCDEFG ABCDEFG @?!;” pag b n ABCDEFG abcdefg @?!;” pag b sl ABCDEFG abcdefg @?!;” pag b sc ABCDEFG ABCDEFG @?!;” pplx m n ABCDEFG abcdefg @?!;” 7 TEX 一覧へ . . comp -MYPEDIA TEX- ファミリ シリーズ シェープ 出力 pplx m it ABCDEFG abcdefg @?!;” pplx m sc ABCDEFG abcdefg @?!;” pplx b n ABCDEFG abcdefg @?!;” pplx b it ABCDEFG abcdefg @?!;” pbk m n ABCDEFG abcdefg @?!;” pbk m sl ABCDEFG abcdefg @?!;” pbk m it ABCDEFG abcdefg @?!;” pbk m sc ABCDEFG ABCDEFG @?!;” pbk b n ABCDEFG abcdefg @?!;” pbk b sl ABCDEFG abcdefg @?!;” pbk b it ABCDEFG abcdefg @?!;” pbk b sc ABCDEFG ABCDEFG @?!;” pzc m it ABCDEFG abcdefg @?!;” 2.2 全角文字 全角文字に対して TEX 側でできる指定は,サイズの指定と明朝体かゴシック体か の指定だけです. 全角文字のファミリは明朝体用のファミリとゴシック体用のファミリの 2 種類ま でしか使えません.日本語に他書体を実現する方法もいくつかありますが,よくわ からないので省きます. 具体的に明朝体用とゴシック体用のファミリとして何を指定するかは,dviout や dvipdfmx などの出力ソフトで指定します.以下は dviout での指定法です.dvipdfmx による PDF での日本語フォントの指定は 4.3 で書きます. 簡単にフォントを変更するには次の方法が便利です. dviout の日本語フォントを一時的に変更 1 ⃝ メニューの option を選択 2 ⃝ Change Japanese fonts... を選択 3 ⃝ goth10(ゴシック体用)または min10(明朝体用)を選択して Change をクリック 4 ⃝ フォントを選択して OK をクリック 8 TEX 一覧へ . . comp -MYPEDIA TEX- 上の方法では,dviout を再起動すると元に戻ってしまう.起動時の設定を変更す るには次の方法を使います. dviout のデフォルト日本語フォントを変更 1 ⃝ メニューの Option を選択 2 ⃝ Setup Paramerers... を選択 3 ⃝ WinJFont... を選択 4 ⃝ goth(ゴシック体用) ,min(明朝体用) ,tgoth(縦書きゴシック 体用) ,tmin(縦書き明朝体用)のどれかを選択 5 ⃝ Change Font を押して,フォントを選択 6 ⃝ Save を押して,OK をクリック 1 ⃝2 ⃝ 3 ⃝ 4 ⃝ 5 ⃝ 6 ⃝ 3 標準の字体の指定 1.1 の簡易の字体指定で欧文の字体を指定したとき,具体的にどのファミリが使 われるかを決めているコマンドは,rmdefault,sfdefault,ttdefault の 3 つです.そ れぞれ,rmfamily,sffamily,ttfamily などに対応します.デフォルトは Computer Modern になっています. また,本文用として使われる欧文用のフォントは,デフォルトではローマン体に なっています.これを決定しているのは familydefault です. シリーズとシェープの標準を決めているのは seriesdefault,shapedefault です. これらは次のように再定義することで細かな指定が可能です. 9 TEX 一覧へ . . comp -MYPEDIA TEX- 標準の字体の指定 標準のローマン体を Times Roman, 標準のサンセリフ体を Helvetica, 標準のタイプライタ体を courier に指定 \renewcommand{\rmdefault}{ptm} \renewcommand{\sfdefault}{phv} \renewcommand{\ttdefault}{pcr} その中で標準に使う字体としてサンセリフ体を指定 \renewcommand{\familydefault}{\sfdefault} 標準でボールドを指定 \renewcommand{\seriesdefault}{b} 標準でイタリックを指定 \renewcommand{\shapedefault}{it} 4 埋め込み 4.1 PDF へのフォントの埋め込み PDF ファイルにフォントを埋め込むことで,そのフォントがない環境でも文字化 けなどを避け,正しく出力することができるようになります.特に,外国語環境で も表示させたいときや,レイアウトが変わってしまうのを避けたいときなどには有 効です. PDF ファイルにフォントが埋め込まれているかどうかは,Adobe Reader などの プロパティから確認できます.埋め込みサブセットなどと表示されているフォント は埋め込まれています. dvipdfmx を使って PDF 化したとき,埋め込みの有無を決定するのは読み込む map ファイルの内容です.map ファイルについての詳細は後述します.デフォルト で読み込まれる map ファイルは C:\usr\local\share\texmf\dvipdfm\config 内 の dvipdfmx.cfg に記述されているので,必要に応じてここを書き換えることで自由 に変更が可能です.TEX のデフォルトは Computer Modern なので,通常は欧文は すべて埋め込まれる設定になっています. フォントを埋め込むか埋め込まないかは,その文章の内容によることが多いと思 うので,ソースの側で指定できた方が便利です.そこで,以下ではソースにmap ファ イルを読み込む方法と map ファイルの内容について解説します. 10 TEX 一覧へ . . comp -MYPEDIA TEX- 4.2 欧文基本 14 書体の埋め込み 通常,欧文基本 14 書体以外はデフォルトで埋め込まれる設定になっているので, これらを埋め込むことができればすべてのフォントが埋め込まれることになります. 欧文基本14書体を埋め込むには次のように書いておきます.これは,コマンドプロ ンプトでdvipdfmxを実行したときにdvipdfmx -f dlbase14.map filenameとオプ ションをつけて実行するのと同じことで,C:\usr\local\share\texmf\fonts\map- \dvipdfmx\base の中の dlbase14.map というファイルの内容 (欧文基本 14 書体を埋 め込めという内容と思われる) に従うという指定です. なお,Computer Modern を除くフォントは,TEX に付属しているクローンフォン トが使用されます.本物の Times Roman などのフォントは,埋め込む際にライセン スの問題などがありますが,フリーのものなので問題ありませんん. 欧文基本 14 書体を PDF に埋め込む \AtBeginDvi{\special{pdf:mapfile dlbase14.map}} 環境によってはC:\usr\local\share\texmf\fonts\map\dvipdfmx\base内にdl- base14.map がない場合もあります.その場合,以下に示す dlbase14.map の内容を コピーして dlbase14.map を自分で作ります. % 欧文基本 14 書体を埋め込む % dlbase14.map % % urw fonts (in Ghostscript) are embedded for the Base 14 fonts. % dvipdfm(x) -f dlbase14.map ... ... % % Courier % pcrr8r 8r ucrr8a pcrb8r 8r ucrb8a pcrro8r 8r ucrro8a pcrbo8r 8r ucrbo8a % pcrr8rn 8r ucrr8a -e 0.85 % % Helvetica % phvr8r 8r uhvr8a phvb8r 8r uhvb8a phvro8r 8r uhvro8a phvbo8r 8r uhvbo8a % % Helvetica narrow % phvbon8r 8r uhvbo8ac phvbrn8r 8r uhvb8ac phvron8r 8r uhvro8ac phvrrn8r 8r uhvr8ac % phvbo8rn 8r uhvbo8ac phvb8rn 8r uhvb8ac phvro8rn 8r uhvro8ac phvr8rn 8r uhvr8ac % Symbol psyr none usyr psyro none usyr -s 0.167 % Raw Symbol rpsyr none usyr % Times 11 TEX 一覧へ . . comp -MYPEDIA TEX- ptmr8r 8r utmr8a ptmb8r 8r utmb8a ptmbi8r 8r utmbi8a ptmri8r 8r utmri8a % Raw Times rptmr none utmr8a rptmb none utmb8a rptmbi none utmbi8a rptmri none utmri8a % ptmbo8r 8r utmb8a -s 0.167 ptmro8r 8r utmr8a -s 0.167 ptmrre8r 8r utmr8a -e 1.2 ptmrrn8r 8r utmr8a -e 0.8 % ZapfDingbats pzdr none uzdr % % txfonts % rtxptmb tx8r utmb8a rtxptmbo tx8r utmb8a -s 0.167 rtxptmbi tx8r utmbi8a rtxptmr tx8r utmr8a rtxptmro tx8r utmr8a -s 0.167 rtxptmri tx8r utmri8a rtxphvr tx8r uhvr8a rtxphvro tx8r uhvro8a rtxphvb tx8r uhvb8a rtxphvbo tx8r uhvbo8a 4.3 和文フォントの埋め込み 和文フォントもデフォルトでは埋め込まれません. 和文フォントを埋め込む例として,IPA フォントを埋め込む方法を示します. 意味合いは欧文基本 14 書体と同じです. IPA ゴシックと IPA 明朝を PDF に埋め込む C:\usr\local\share\texmf\fonts\truetypeまたはopentype の中に フォントファイル (ipam.ttf など) をコピーしておく (環境によっては不 要). C:\usr\local\share\texmf\fonts\map\dvipdfm\base または DVI フ ァイルと同じフォルダに次のように記述した IpaEmbed.map というファ イルを作っておく. rml H ipam.ttf gbm H ipag.ttf rmlv V ipam.ttf gbmv V ipag.ttf TEX 文書内に次のように記述して,map ファイルを読み込みます. \AtBeginDvi{\special{pdf:mapfile IpaEmbed.map}} 12 TEX 一覧へ . . comp -MYPEDIA TEX- MSゴシックとMS明朝を埋め込むこともできます.よくはわかりませんが,M SゴシックやMS明朝は Windows 以外ではライセンス上使ってはいけない事になっ ているようなので,配布する場合などはフリーの IPA フォントなどを使うのがいい かもしれません. 記述内容は rml H :0:フォントファイル名 の形で,1 行目から順に横書き明朝, 横書きゴシック,縦書き明朝,縦書きゴシックとなっています.フォントファイル名 はコントロールパネルのフォントから,プロパティを見るなどして調べられます. 4.4 埋め込みなしの軽いファイル フォントを埋め込むと当然ファイルサイズが大きくなります.フォントにこだわ らないのであれば,なるべく埋め込みをなくして,軽いファイルを作った方がよい でしょう. フォントの埋め込みをなくすには,3 で示した標準のフォントの指定で,欧文基 本 14 書体を使うのがいいでしょう.map ファイルは psbase14.map を読み込んでお くことで,欧文基本 14 書体に限り埋め込みが行われません. 前述の通りたとえば次のように記述します.これだけ指定しておけば,和文はデ フォルトで埋め込まれないので,大部分のフォントが埋め込まれず,ファイルサイ ズは小さくなります. 欧文基本 14 書体を使い埋め込みをなくす \renewcommand{\rmdefault}{ptm} \renewcommand{\sfdefault}{phv} \renewcommand{ttdefault}{pcr} \AtBeginDvi{\special{pdf:mapfile psbase14.map}} 環境によってはC:\usr\local\share\texmf\fonts\map\dvipdfmx\base内にps- base14.map がない場合もあります.その場合,以下に示す psbase14.map の内容を コピーして psbase14.map を自分で作ります. % 欧文基本 14 書体を埋め込まない % psbase14.map % % Base 14 fonts are not embedded (default). % % Courier % pcrr8r 8r Courier pcrb8r 8r Courier-Bold pcrro8r 8r Courier-Oblique pcrbo8r 8r Courier-BoldOblique % pcrr8rn 8r Courier -e 0.85 % 13 TEX 一覧へ . . comp -MYPEDIA TEX- % Helvetica % phvr8r 8r Helvetica phvb8r 8r Helvetica-Bold phvro8r 8r Helvetica-Oblique phvbo8r 8r Helvetica-BoldOblique % % Helvetica Narrow % phvbon8r 8r Helvetica-BoldOblique -e 0.82 phvbrn8r 8r Helvetica-Bold -e 0.82 phvron8r 8r Helvetica-Oblique -e 0.82 phvrrn8r 8r Helvetica -e 0.82 % phvbo8rn 8r Helvetica-BoldOblique -e 0.82 phvb8rn 8r Helvetica-Bold -e 0.82 phvro8rn 8r Helvetica-Oblique -e 0.82 phvr8rn 8r Helvetica -e 0.82 % Symbol psyr none Symbol psyro none Symbol -s 0.167 % Raw Symbol rpsyr none Symbol % Times ptmr8r 8r Times-Roman ptmb8r 8r Times-Bold ptmbi8r 8r Times-BoldItalic ptmri8r 8r Times-Italic % Raw Times rptmr none Times-Roman rptmb none Times-Bold rptmbi none Times-BoldItalic rptmri none Times-Italic % ptmbo8r 8r Times-Bold -s 0.167 ptmro8r 8r Times-Roman -s 0.167 ptmrre8r 8r Times-Roman -e 1.2 ptmrrn8r 8r Times-Roman -e 0.8 % ZapfDingbats pzdr none ZapfDingbats % % txfonts % rtxptmb tx8r Times-Bold rtxptmbo tx8r Times-Bold -s 0.167 rtxptmbi tx8r Times-BoldItalic rtxptmr tx8r Times-Roman rtxptmro tx8r Times-Roman -s 0.167 rtxptmri tx8r Times-Italic rtxphvr tx8r Helvetica rtxphvro tx8r Helvetica-Oblique rtxphvb tx8r Helvetica-Bold rtxphvbo tx8r Helvetica-BoldOblique デフォルトでは和文の明朝はリュウミン L (Ryumin-Light),ゴシックは中ゴシッ ク BBB (GothicBBB-Medium) を埋め込まない指定になっています.これはほとんど 無指定に等しい意味です. 和文のマップファイルでフォントファイル名の前に ! をつけることで,フォント の指定だけして埋め込みはしないという指定もできます.こうしておけば,埋め込 みなしの軽いままで,フォントを指定することができます.当然ですが,そのフォ ントが入っていない環境では違うフォントで代用されます. 14 TEX 一覧へ . . comp -MYPEDIA TEX- IPA ゴシックと IPA 明朝を指定して埋め込みはしない指定 map ファイルの指定を次のようにする. rml H !ipam.ttf gbm H !ipag.ttf rmlv V !ipam.ttf gbmv V !ipag.ttf 5 数式の書体 5.1 数式全体をボールドにする 数式の書体は本文とは別に指定されています.なので,例えば見出し内で数式を 使ってしまうと,ボールドが適用されず,細いフォントのままになってしまうため, 不自然な表示になってしまいます. boldmath というコマンドを使うと,数式全体をボールドに変更することができま す.boldmath コマンドは,数式全体に適用する命令なので,数式環境の外に記述し ます.ただし,大型演算子などボールドが用意されていない文字についてはそのま ま表示されてしまうので注意が必要です.ちなみに,ボールドでない普通の書体を 指定するのは unboldmath というコマンドです. また,数式内でベクトルをボールドで表したり,筆記体などを使う場合は数式環 境の中で指定する命令が用意されているのでそちらを使うのがいいでしょう.詳し くは,記号の項目を参照3. 数式全体をボールドにする \boldmath$\sin^2x+\cos^2x=1$\\ \unboldmath$\sin^2x+\cos^2x=1$ sin2 x + cos2 x = 1 sin2 x + cos2 x = 1 3記号 . . 15 TEX 一覧へ . . comp -MYPEDIA TEX- 5.2 数式を含めた全体のフォントを変更 数式用フォントのデフォルトは ComputerModern で,これは本文の標準の書体を 変更しても変わりません. 数式用フォントを変更する様々なパッケージが用意されています.代表的なのは 表 9 に挙げた 4 つです.これらは本文の書体も変わります.usepackage を使ってプ リアンブルに記述しておくだけで使えます. mathptmxパッケージとmathpazoパッケージは一部の数学記号でComputer Mod- ern が残ります.txfonts パッケージと pxfonts パッケージは Computer Modern は残 りません. 当然ですが,Times 系のフォントなどが入っていなければ,TEX に付属している クローンフォントが使われます. 表 9: 代表的なフォント変更パッケージ パッケージ 数式 ローマン体 サンセリフ体 タイプライタ体 mathptmx Times Italic 他 Times Roman 変更なし 変更なし mathpazo Palatino 他 Palatino 変更なし 変更なし txfonts Times Italic 他 Times Roman Helvetica 独自書体 pxfonts Palatino 他 Palatino Helvetica 独自書体 16 TEX 一覧へ . .