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Last updated Jun. 13, 2012
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comp -MYPEDIA Math- 正規分布 Normal distribution 1 概要 正規分布は 2 つのパラメータ µ,σ を持つ,連続型の確率分布.パラメータ µ は 平均に,パラメータ σ は標準偏差に対応している.また,ガウス分布とも呼ばれる. 確率変数 X が正規分布に従う場合,X ∼ N(µ, σ2) などと書く. 2 密度関数 正規分布の密度関数は以下の通り.密度関数のグラフは図 1 に示す. 正規分布の密度関数 f(x) = 1 √ 2πσ2 exp { −(x − µ)2 2σ2 } 0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45 -10 -5 0 5 10 Cumulative Distribution Function Random variable mu=0, sigma=1 mu=0, sigma=2 mu=5, sigma=1 図 1: 正規分布の密度関数 3 分布関数 正規分布の分布関数は以下の通り.分布関数のグラフは図 2 に示す. 1 Math 一覧へ . . comp -MYPEDIA Math- 正規分布の分布関数 F(x) = 1 √ 2πσ2 ∫ x −∞ exp { −(t − µ)2 2σ2 } dt 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 -10 -5 0 5 10 Cumulative Distribution Function Random variable mu=0, sigma=1 mu=0, sigma=2 mu=5, sigma=1 図 2: 正規分布の分布関数 4 モーメント 正規分布の平均と分散は以下の通り. 正規分布のモーメント E[X] = µ Var[X] = σ2 5 再生性 正規分布は再生性を持ち,平均と分散がそれぞれ µ1 , σ2 1 と µ2 , σ2 2 の正規分布に従 う確率変数 Y1 , Y2 の和 Y3 = Y1 + Y2 の分布は平均と分散が µ1 + µ2 , σ2 1 + σ2 2 の正規分 布になる. 2 Math 一覧へ . . comp -MYPEDIA Math- 6 標準正規分布 平均 1,分散 1 の正規分布を標準正規分布と呼ぶ.標準正規分布に従う確率変数 は以下のように任意の正規乱数に変換可能. 標準正規分からの変換 標準正規分布に従う確率変数 X ∼ N(0, 12) は,以下のように任意の平 均と分散を持つ正規分布に従う確率変数に変換できる. σX + µ ∼ N(µ, σ2) 逆に,任意の正規分布に従う乱数は正規化することで標準正規分布に従う乱数に 変換可能. 正規化 任意の平均と分散を持つ正規分布に従う確率変数 Y ∼ N(µ, σ2) は正規 化することで標準正規分布に従う乱数に変換可能. Y − µ σ ∼ N(0, 1) 7 中心極限定理 独立同分布 (i.i.d.) に従う確率変数の和は,和を取る個数が十分に大きければ分布 の形によらず正規分布になる.これは,多数の要素から影響を受ける事象を正規分 布で近似的に表現できることを意味している. i.i.d. r.v. の和の分布 平均 µ,分散 σ2 の独立同分布 (i.i.d.) の確率変数 Xi (i = 1, 2, · · · , ) の和 の分布は,平均 nµ,分散 nσ2 の正規分布に近づく. n → ∞ としたとき,平均と分散は発散してしまうが,正規化すれば標準正規分布 に収束する.これを中心極限定理という. 3 Math 一覧へ . . comp -MYPEDIA Math- 8 擬似的な正規乱数 8.1 中心極限定理による発生法 中心極限定理を利用して,擬似的な正規乱数を発生させることができる. よく用いられる方法として,0 から 1 までの一様乱数を 12 個足し合わせ,そこか ら平均 6 を引くことにより,標準正規乱数に近い乱数を生成する方法がある.12 個 足し合わせるのは,0 から 1 までの一様乱数の分散が 1/12 ことによる. 一様乱数から生成した擬似的な正規乱数の分布と正規分布の分布関数の比較を図 3 に示す. 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 0 2 4 6 8 10 12 Cumulative Distribution Function Random variable 一様乱数による分布 正規分布 図 3: 一様乱数による疑似正規乱数 8.2 ボックス・ミュラー法 正規乱数を発生させる方法としてはこの他にボックス・ミュラー法が有名. ボックスミュラー法によって生成した擬似的な正規乱数の分布と正規分布の分布 関数の比較を図 4 に示す. 9 二項定理との関係 二項分布は,結果が成功か失敗のいずれかである n 回の独立な試行を行ったとき の成功数で表される離散確率分布,つまり一定確率で 0 または 1 のいずれかをとる 確率変数の和の分布である.よって二項分布 B(n, p) は,中心極限定理を使うことに より正規分布 N(np, np(1 − p)) に近似できることがわかる.二項分布とそれに対応 する正規分布の比較を図 5 から 8 に示す. 4 Math 一覧へ . . comp -MYPEDIA Math- 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 Cumulative Distribution Function Random variable 疑似乱数による分布 正規分布 図 4: ボックス・ミュラー法による正規乱数 0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0 2 4 6 8 10 Probability Density Function Random Variable Normal distribution Binomial distribution 図 5: n = 10,p = 0.5 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14 0.16 0.18 0.2 0 5 10 15 20 Probability Density Function Random Variable Normal distribution Binomial distribution 図 6: n = 20,p = 0.5 0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0 2 4 6 8 10 Probability Density Function Random Variable Normal distribution Binomial distribution 図 7: n = 10,p = 0.2 0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0 5 10 15 20 Probability Density Function Random Variable Normal distribution Binomial distribution 図 8: n = 20,p = 0.2 5 Math 一覧へ . .