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数学
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Last updated Nov. 17, 2008
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comp -MYPEDIA Math- パレート分布 Pareto distribution 1 概要 指数分布は最低値パラメータ k > 0 と形状パラメータ α > 0 をパラメータとし、 x ≥ k で定義される連続型の確率分布。離散型は Zipf 分布と呼ばれる。 分布の形状が似ていることから指数分布と比較されることが多い。指数関数で収 束する指数分布に比べ、ベキで収束するためより遅い収束であることが特徴的。 所得の分布や社会ネットワークの次数分布などがパレート分布 (Zipf 分布) に従う とされる。また、ネットワーク上でのトラヒックの発生間隔などでも、指数分布と 合わせてよく使われる。 2 密度関数 パレート分布の密度関数は以下の通り。密度関数のグラフは図 1 に示す。 パレート分布の密度関数 f(x) = αkαx−(α+1) (x ≥ k) 0 (x < k) ! !"# !"$ !"% !"& ' '"# ! !"( ' '"( # #"( ) )"( $ *+#,-./01.+!"( *+',-./01.+!"( *+!"(,-./01.+!"( ! !"# !"$ !"% !"& ' '"# ! # $ % & '! ()#*+,-./,)# ()#*+,-./,)' ()#*+,-./,)!"0 図 1: パレート分布の密度関数 1 Math 一覧へ . . comp -MYPEDIA Math- 3 分布関数 パレート分布の分布関数は以下の通り。分布関数のグラフは図 2 に示す。 パレート分布の分布関数 F(x) = 1 − ( k x ) α (x ≥ k) 0 (x < k) ! !"# !"$ !"% !"& !"' !"( !") !"* !"+ # ! $ & ( * #! #$ ,-$./01230-!"' ,-#./01230-!"' ,-!"'./01230-!"' ! !"# !"$ !"% !"& !"' !"( !") !"* !"+ # ! $ & ( * #! #$ ,-$./01230-$ ,-$./01230-# ,-$./01230-!"' 図 2: パレート分布の分布関数 4 モーメント パレート分布の平均と分散は以下の通り。 0 < α ≤ 1 のときは分布の裾の収束が遅いため、平均は ∞ に発散してしまう。同 じ理由で、0 < α ≤ 2 での分散も存在しない。 パレート分布のモーメント E[X] = kα α − 1 , (1 < α) V[X] = k2α (α − 1)2(α − 2) , (2 < α) 5 パレート乱数の判定法 乱数列がパレート分布に従っているかの判定は、補分布を調べることで可能となる。 2 Math 一覧へ . . comp -MYPEDIA Math- パレート乱数の判定法 表のように乱数列を昇順に並べ、対応する補分布を算出す る。これらを図のように散布図にプロットして両軸を対数表 示すると、パレート分布に従う乱数であれば直線になる。 乱数列 補分布 0.300041351 1 0.30039924 0.999 0.301076328 0.998 . . . . . . 13.36277807 0.002 30.79813397 0.001 !"!!# !"!# !"# # !"# # #! #!! $%&'() *+, これは、分布関数より補分布の関数が、y = ( k x ) α (x ≥ k) のように単純なベキ関 数になるため、軸を両方対数で取ると直線となる性質による。なお、直線の傾きは 両軸を常用対数で取れば −α となる。 3 Math 一覧へ . .