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Last updated Mar. 12, 2008
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comp -MYPEDIA Math- ネイピア数(自然対数の底) Napier’s constant 1 概要 ネイピア数は一般的に記号 e を使って表され、ex としたときの x = 0 における傾 きが 1 となるような定数である。 無理数であり、具体的には e = 2.71828 18284 59045 23536 02874 71352 · · · という 値を取る。また、複利計算の連続化した場合からもネイピア数が出てくる。 なお、e は変数ではなく定数であるため、L A TEX などで書くときは単にイタリック で e とはせず、立体にして e と書くのが正しい。 2 定義 代表的な定義式を挙げる。 2.1 複利計算による定義 最も一般的な定義として、複利計算の考え方による定義がある。この定義式は、 種々の式変形で利用されることが多い。 複利計算による定義 e = lim n→∞ ( 1 + 1 n ) n 図 1 を見ると n を増やした場合、e に近づくことが確認できる。 この定義は 1 期の利率が 1(つまり 1 期後に元本が 2 倍になる) の預金計算を n 期に 分割して複利計算するという考え方から出発している。n 期に分割したときの 1 期 分の利率は 1 n であるから、1 期経過すると 1 + 1 n 倍になる。それが n 期繰り返される ので ( 1 + 1 n ) n となる。ここで、n → ∞ つまり ∞ 期の期間に分割することを考える と、上の定義式が出来上がる。 この等式で n は自然数であるが、実数 x と置き換えても同じである。このとき、 x → −∞ としても e に収束する。 1 Math 一覧へ . . comp -MYPEDIA Math- 2 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 y n y=e y=(1+1/n)^n 図 1: ( 1 + 1 n ) n が e に近づく過程 上記の定義式は、元本を 1、利率を 1 として ∞ 期の複利計算を実行すると、単利 なら 2 になるところ、2 より大きい e になるということを表している。 利息 r の預金計算について ∞ 期の複利計算を実行した場合、er になることが以下 の計算からわかる。 m = n r とすると lim n→∞ ( 1 + r n ) n = lim m→∞ ( 1 + r rm ) rm = lim m→∞ (( 1 + 1 m ) m )r = er 2.2 指数関数の傾きによる定義 ネイピア数は指数関数 f(x) = ax の 0 における傾きが 1 となるような a であると 解釈することもできる。このような a はただひとつであることが図 2 からわかる。 この定義式も、e を含む極限の式変形をする際によく利用され、重要である。 微分の定義式による定義 f (0) = lim h→0 eh − 1 h = 1 2 Math 一覧へ . . comp -MYPEDIA Math- 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 -0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 a>e a