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数学
-- イェンゼンの不等式
Last updated Jan. 6, 2009
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comp -MYPEDIA Math- イェンゼンの不等式 Jensen’s inequality 1 概要 凸関数に関する不等式のひとつ.f が凸関数であれば,f(x) を p により重み付け したものは,x を p により重み付けして f に代入したものよりも大きいことを意味 する. 2 離散型 イェンゼンの不等式の離散型は次の式で表される. 離散型のイェンゼンの不等式 f(x) が下に凸のとき,実数 x1 , x2 , · · · ,p1 + p2 + · · · = 1 を満たす p1 ≥ 0, p2 ≥ 0, · · · に対して以下の不等式が成り立つ. ∞ ∑ i=1 pi f(xi ) ≥ f ( ∞ ∑ i=1 pi xi ) この不等式は i = 2 までのみの場合を考えると以下のようになり,直感的に理解 しやすい.これを図示すると図 1 のようになる. 離散型のイェンゼンの不等式 (i = 2 の場合) f(x) が下に凸のとき,実数 x1 , x2 ,p1 + p2 = 1 を満たす p1 ≥ 0, p2 ≥ 0 に対して以下の不等式が成り立つ. p1 f(x1 ) + p2 f(x2 ) ≥ f(p1 x1 + p2 x2 ) 図 1 をさらに i = 3 に拡張すると図 2 のようになる.f(x1 ), f(x2 ), f(x3 ) で張られる 線形多様体 (陰の部分) の内部が左辺の取りうる範囲で,いかなる点を取っても f(x) が凸なので下側にきていることに注意する. 1 Math 一覧へ . . comp -MYPEDIA Math- f(x) f(x1 ) x1 p1 p1 f(x1 ) + p2 f(x2 ) f(p1 x1 + p2 x2 ) p2 x2 f(x2 ) 図 1: i = 2 までの場合のイェンゼンの不等式 f(x3) f(x) p1f(x1) + p2f(x2) + p3f(x3) f(x1) f(p1x1 + p2x2 + p3x3) f(x2) x1 x2 x3 p1x1 + p2x2 + p3x3 図 2: i = 3 までの場合のイェンゼンの不等式 2 Math 一覧へ . . comp -MYPEDIA Math- 3 連続型 イェンゼンの不等式の連続型は以下のとおりになる. 連続型のイェンゼンの不等式 f(x) が下に凸のとき, ∫ ∞ −∞ p(x)dx = 1 となる非負の実関数 p(x) に対し て以下の不等式が成り立つ. ∫ ∞ −∞ f(x)p(x)dx ≥ f (∫ ∞ −∞ xp(x)dx ) p は積分して 1 となる関数なので密度関数と考えると期待値の計算になり,以下の ようにも表現できる.この不等式で f(x) = x2 とすれば,分散が非負となることが 確認できる. 連続型のイェンゼンの不等式 (期待値による表現) f(x) が下に凸とすると,確率変数 X について以下の不等式が成り立つ. E [f(X)] ≥ f (E [X]) 3 Math 一覧へ . .