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数学
-- 中心極限定理
Last updated Jun. 30, 2013
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comp -MYPEDIA Math- 中心極限定理 Central limit theorem 1 概要 中心極限定理は,同分布に従う確率変数の和の分布が漸近的に正規分布に従うこ とと,そのための条件を示す定理.独立同分布 (i.i.d.) の場合がよく知られているが, 条件を付ければ非独立の場合においても成り立つ. 2 i.i.d. の場合の中心極限定理 i.i.d. の確率変数列について,よく知られる中心極限定理が成り立つ. 中心極限定理 期待値 µ,分散 σ2 を持つ独立同分布 (i.i.d.) の確率変数列 Xi (i = 1, 2, . . . , n) の和を Sn = ∑ n i=1 Xi とすると,n が十分に大きいとき,Sn を正規化すると近似的に標準正規分布に従う. Sn − nµ σ √ n ∼ N(0, 1) for sufficiently large n. 3 非独立の場合の中心極限定理 非独立の場合の中心極限定理の説明の前に,確率変数列の時間経過による関係性 の深さを表現する α-mixing について定義しておく. α-mixing の定義 任意の分布に従う確率変数列を Xi (i = 1, 2, . . . ) とし,以下を満たす αn が,n → ∞ で αn → 0 のとき,確率変数列 Xi (i = 1, 2, . . . ) は α-mixing であるという. αn ≥ | Pr(A ∩ B) − Pr(A) Pr(B)| ここで,A,B は (k = 1, 2, . . . ),(n = 1, 2, . . . ) として A ∈ {X1 , X2 , . . . Xk },B ∈ {Xk+n , Xk+n+1 , . . . } とする. 1 Math 一覧へ . . comp -MYPEDIA Math- 中心極限定理は非独立の場合についても,確率変数列の間の関係に条件を付ける ことで拡張することができる [1].ただし,以下の条件は十分条件であるため,これ を満たさない場合は正規分布に収束しないわけではないことに注意. 非独立の確率変数列の中心極限定理 期待値がすべて 0 の確率変数列 Xi (i = 1, 2, . . . ) が定常で,αn = O(n−5) で α-mixing,かつ E[Xi 12] < ∞ のとき,Sn = ∑ n i=1 Xi は正規化すると, 十分大きい n について近似的に標準正規分布に従う. Sn σ √ n ∼ N(0, 1) for sufficiently large n. ここで,σ2 は以下で与えられる. σ2 = Var[Sn ] n = E[X1 2] + 2 n ∑ k=1 E[X1 X1+k ] 参考文献 : [1] P. Billingsley, Probability and Measure. Jhon Wiley & Sons, Inc, 1986, ch. 5, pp. 366–382. 2 Math 一覧へ . .