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数学
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Last updated Jan. 26, 2013
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comp -MYPEDIA Math- 微分法 Differential 1 定義 微分の定義は以下の通り。この式の右方極限と左方極限が一致するとき、f(x) は a で微分可能であるという。 定義 d dx f(x) = lim h→0 f(a + h) − f(a) h 2 導関数の公式 2.1 積の微分 積の微分は以下のように計算できる。証明は微分の定義を使えば簡単に示せる。 積の微分 [f(x) · g(x)]′ = f′(x) · g(x) + f(x) · g′(x) 2.2 商の微分 商の微分は以下のように計算できる。証明は積の微分を使えば示せる。 商の微分 [ f(x) g(x) ]′ = f′(x) · g(x) − f(x) · g′(x) g(x)2 1 Math 一覧へ . . comp -MYPEDIA Math- 2.3 逆関数の微分 逆関数の微分法を以下に示す。この意味は、y = f(x), x = f−1(y) として x, y 間の 関係がわかっているとき、y の x 微分を x の y 微分で表すことができるということ である。ただしこのとき、x の y 微分は y の関数として与えられることに注意。 逆関数の微分 dy dx = 1 / dx dy 2.4 陰関数の微分 陰関数を微分するにはいくつかの方法がある。2.5 の対数微分法もそのひとつで ある。 ここでは両辺を x 微分して、y′ について解くという方法を例を使って示す。 例題) 2x2 + 2xy + y2 + 2x + 2y + 1 = 0 の y′ を求める。 2x2 + 2xy + y2 + 2x + 2y + 1 = 0 4x + 2(y + xy′) + 2yy′ + 2 + 2y′ = 0 (∵ 両辺を x 微分) y′ = − 2x + y + 1 x + y + 1 (∵ y′ について解いた) 2.5 対数微分法 通常の方法では微分を実行しにくい形の関数に対して微分を実行する方法として 対数微分法がある。これを利用することにより、対数の性質を使って肩に乗った指 数を積に、積や商を和と差に変形して微分を実行することができるようになる。 以下に例題を示す。 例題 1) y = xx の y′ を求める。 2 Math 一覧へ . . comp -MYPEDIA Math- y = xx log y = log xx (∵ 両辺の対数を取る) log y = x log x (∵ 対数の性質) 1 y y′ = x · 1 x + log x (∵ 両辺を微分) y′ = y(1 + log x) (∵ y′ について解いた) y′ = xx(1 + log x) (∵ y = xx を代入) 例題 2) y = x + 2 (x + 1)(x + 3) の y′ を求める。 y = x + 2 (x + 1)(x + 3) log y = log x + 2 (x + 1)(x + 3) (∵ 両辺の対数を取る) log y = log(x + 2) − log(x + 1) − log(x + 3) (∵ 対数の性質) 1 y y′ = 1 x + 2 − 1 x + 1 − 1 x + 3 (∵ 両辺を微分) 1 y y′ = − x2 + 4x + 5 (x + 1)(x + 2)(x + 3) y′ = −y · x2 + 4x + 5 (x + 1)(x + 2)(x + 3) (∵ y′ について解いた) = − x2 + 4x + 5 (x + 1)2(x + 3)2 (∵ y を代入) 2.6 媒介変数表示関数の微分 媒介変数表示された関数を微分するには、媒介変数を一度消去して x と y の関係 式を作ってから微分することも可能であるが、次の公式のように変形すれば媒介変 数で微分した形を用いて導関数を表すことができる。 これは、dt という共通な微小変化を起こした際のx, y のそれぞれの微小変化 dx, dy の比に相当するものが傾きであるということを示した式でもある。 3 Math 一覧へ . . comp -MYPEDIA Math- 媒介変数表示された関数の微分 dy dx = dy dt · dt dx = dy dt / dx dt 3 種々の関数の導関数 代表的な関数の導関数の一覧を表 1 に示す。 また、三角関数では n 回微分を次のように表すこともできる。 三角関数の n 回微分 dn dxn cos x = cos ( x + nπ 2 ) dn dxn sin x = sin ( x + nπ 2 ) 4 多変数関数の微分 4.1 2 変数関数の微分 微分とはそもそも、x の微小変化分に対する y の微小変化分の割合のことであっ たので、1 変数関数の微分は形式を変えると、dy = dy dx · dx と表せる。これは直線を 表す式の形であり、dy dx は傾きを意味している。 一方、2 変数関数 y = f(x1 , x2 ) の場合、直線に相当するのは面であり、面は x1 軸 方向についての傾き a と x2 軸方向についての傾き b を使って 0 = ax1 +bx2 と表せた。 x1 軸方向についての傾きと x2 軸方向についての傾きとは偏微分を使って ∂y ∂x1 , ∂y ∂x2 と 表せたので、2 変数関数についての (全) 微分の式が次のように定義できる。特に行 列による表現では dy = dy dx · dx と酷似した形になっていることに気づく。 2 変数関数の (全) 微分の式 dy = ∂y ∂x1 dx1 + ∂y ∂x2 dx2 dy = [ ∂y ∂x1 ∂y ∂x2 ] [ dx1 dx2 ] (行列による表示) 4 Math 一覧へ . . comp -MYPEDIA Math- 表 1: 代表的な関数の導関数 f(x) f′(x) f(x) f′(x) ex ex ax ax log a log x 1 x loga x 1 x log a cos x − sin x cosh x sinh x sin x cos x sinh x cosh x tan x 1 cos2 x tanh x 1 cosh2 x 1 cos x sin x cos2 x 1 cosh x − sinh x cosh2 x 1 sin x − cos x sin2 x 1 sinh x − cosh x sinh2 x 1 tan x − 1 sin2 x 1 tanh x − 1 sinh2 x cos−1 x − 1 √ 1 − x2 cosh−1 x 1 √ x2 − 1 sin−1 x 1 √ 1 − x2 sinh−1 x 1 √ 1 + x2 tan−1 x 1 1 + x2 tanh−1 x 1 1 − x2 このとき、行列による表示で比例定数に相当する部分が微分係数である。よって、 導関数は次のように表せる。 2 変数関数の導関数 f′(x1 , x2 ) = [ ∂f ∂x1 (x1 , x2 ) ∂f ∂x2 (x1 , x2 ) ] この定義を用いて接平面の方程式を求めることができ、1 変数関数の接線の方程 式と対応していることに気づく。 5 Math 一覧へ . . comp -MYPEDIA Math- 接線と接平面の方程式 y = f(x) の a における接線の方程式 y = df dx (a) · (x − a) + f(a) y = f(x1 , x2 ) の (a, b) における接平面の方程式 y = ∂y ∂x1 (a, b) · (x1 − a) + ∂y ∂x2 (a, b) · (x2 − b) + f(a, b) y = [ ∂f ∂x1 (a, b) ∂f ∂x2 (a, b) ] [ x1 − a x2 − b ] + f(a, b) (行列による表示) 4.2 n 変数関数の (全) 微分 2 変数関数同様 n 変数関数 y = f(x1 , x2 , · · · , xn ) についても微分が定義できる。 n 変数関数の (全) 微分 dy = ∂y ∂x1 dx1 + ∂y ∂x2 dx2 · · · + ∂y ∂xn dxn dy = [ ∂y ∂x1 ∂y ∂x2 · · · ∂y ∂xn ] dx1 dx2 . . . dxn (行列による表示) 同様に n 変数関数の導関数も次のように定義できる。ただし、x = (x1 , x2 , · · · , xn ) とする。 n 変数関数の導関数 f′(x) = [ ∂f ∂x1 (x) ∂f ∂x2 (x) · · · ∂f ∂xn (x) ] 6 Math 一覧へ . . comp -MYPEDIA Math- 4.3 Rn → Rn の関数の微分 4.1 で扱った 2 変数関数は R2 → R の関数のみであった。 一方、R2 → R2 の関数は、R2 → R の関数 2 つ分を同時に表しているのと同じこと である。 つまり、 F(x1 , x2 ) = [ y1 y2 ] となる関数であれば、 y1 = f(x1 , x2 ), y2 = g(x1 , x2 ) と R2 → R の関数でで表すことができる。 行列を用いてひとつの式で表せば、R2 → R2 の関数の (全) 微分は次のように表せ ることがわかる。 R2 → R2 関数の導関数 x = (x1 , x2 ) として、F(x) = [ f(x) g(x) ] のとき、 F′(x) = [ f′(x) g′(x) ] = [ ∂f ∂x1 (x) ∂f ∂x2 (x) ∂g ∂x1 (x) ∂g ∂x2 (x) ] これを n 変数に拡張すると、次のようになる。 Rn → Rn 関数の導関数 x = (x1 , x2 , · · · , xn ) として、F(x) = f1 (x) . . . fn (x) のとき、 F′(x) = f′ 1 (x) . . . f′ n (x) = ∂f1 ∂x1 (x) · · · ∂f1 ∂xn (x) . . . ... . . . ∂fn ∂x1 (x) · · · ∂fn ∂xn (x) 全微分の式の形で表せば次のようになる。この比例定数に相当する行列をヤコビ 行列と呼ぶ。 Rn → Rn 関数の (全) 微分の式 x = (x1 , x2 , · · · , xn ) として、 dy1 . . . dyn = ∂y1 ∂x1 · · · ∂y1 ∂xn . . . ... . . . ∂yn ∂x1 · · · ∂yn ∂xn dx1 . . . dxn 7 Math 一覧へ . . comp -MYPEDIA Math- 4.4 多変数関数の微分可能性 (incomplition) 8 Math 一覧へ . .